減農薬がおいしさの秘密。久井高原で丹念に育てた自然薯

「せとなか百貨店」は、三原市の地域産業が生み出した数々のスグレモノが集まっています。その種類はバラエティに富んでおり、自分へのご褒美や手土産に最適なグルメの数々、事業者の職人が丹精込めて作る機能性を重視した寝具や衣類品、家具、美容品、生き物までさまざまな商品を展開しております。

せとなか百貨店では、三原市ならではの商品の魅力や、作り手の想いを発信していきます。ぜひ瀬戸内の楽しさ、面白さ、美味しさに出会ってください。

減農薬がおいしさの秘密。久井高原で丹念に育てた自然薯

第3回目にご紹介するのは、せんチャンファーム。

「山で採れるものよりおいしい」と評判の、せんチャンファームの自然薯。
強い粘りと深い味わいが特徴です。
おいしさの秘密は、極限まで農薬を減らした栽培方法にあります。

自然薯を育てるのは、せんチャンファームの責任者、仙石ヤチヨさん。
以前は保育士をしており、農業など一切携わったことがなかったといいます。

ヤチヨさんに自然薯を栽培することになったきっかけや商品の魅力、健康に対する想いを伺いました。

久井高原の自然の恵みを授かった、滋味豊かな自然薯

せんチャンファームがあるのは、広島県三原市久井町。
久井町は標高375mのさわやかな高原の土地です。
高原特有の昼夜の寒暖差の中、ミネラル豊富な地下水で自然薯を栽培しています。

土壌づくりからこだわり、種芋の植え付けから収穫までを一貫して実施。
栽培方法に改良を重ね、安定した品質を確保しています。

自然薯には健康に役立つ成分が豊富にふくまれ、高血圧、便秘、むくみの改善や免疫力アップ、アンチエイジングなどに役立つといわれています。
おいしく栄養たっぷりの、せんチャンファームの自然薯はいかがでしょうか。

除草剤不使用、減農薬へのこだわり

せんチャンファームの自然薯は、栽培に除草剤を一切使用していません。

「見た目はあまりきれいではないけれど、やっぱりおいしいものは減農薬だし、体にもいいから」

ヤチヨさんは自身が重度の薬アレルギーであるため、人一倍健康への意識が高く、できるだけ薬品にたよらない栽培を行っているのです。

「むかご」と呼ばれる種芋ができる時期には、やむをえず害虫対策に農薬を散布しますが、それも2,000倍に薄めたものを木酢液にからめて1度使用するのみ。
これは一般的な自然薯栽培に比べ、はるかに少ないものだそうです。

極限まで農薬を減らして栽培した自然薯だからこそ、素材本来の味を堪能できるのです。

せんチャンファームの誕生

せんチャンファームは、建設会社「仙石組」の農業部門です。
現社長の仙石一博さんの祖父が建設業を営んでいたものを、1987年に法人化しました。
公共工事など事業規模を拡大し、多いときは従業員を十数名抱えていたといいます。

ところが、2005年に久井町が三原市と合併したことにより、他の建設会社との競争が激しくなり、売上が激減。
「建設業だけでは生き残れない」と危惧し、一博さんは農業への参入を決意します。

一博さんから相談され、何を栽培するのがよいかを模索していたヤチヨさん。
ふと、ある商品が目に留まります。
「インターネットで探していたら、自然薯が軒並み完売でとても人気だったんです。これはいいな、自然薯にしようと思いました」

ヤチヨさんは「自然薯なら必ず売れる」と確信を持ちました。

自然薯栽培は苦労の連続

一博さんとヤチヨさんは、自然薯栽培のノウハウを学びに山口県柳井市の農家を訪ねます。
”簡単”と楽観視していた自然薯栽培は、想像していたよりもはるかに手間のかかるものだったといいます。

「植えっぱなしでいいのだろうと思っていたら、ところが結構大変で。
自然薯は、育成パイプの中で1本1本育てるのですが、パイプの中に入れる土は、「真砂土(まさつち)」と呼ばれるものでなくてはなりません。
育成パイプに真砂土を入れ、畑を起こし、畝(うね)をつくり、ストレッチャーで穴を空け、真砂土を入れたパイプを斜めに埋めていきます。このパイプを埋める作業が腰に負担がかかり、重労働なんです」

スタート時から2,200本もの数を栽培したのだそうです。
手間をかけたかいあって、その年の秋には香りがよく粘りが強い、おいしい自然薯を収穫できました。

「自然薯をつくり始めたばかりの頃は、販売にも苦労しました。
東京のラジオに商品の広告を出すと持ちかけられ、十数万円をだまし取られたり、代引の期日指定で商品を送ったのにも関わらず、届いていないといわれたり。
ある蕎麦屋には『一番安い自然薯を送ってほしい』と言われ送ったものの、その商品にクレームをつけられたこともありました」

苦労を乗り越えながら栽培面積を増やし、販路を拡大し、事業を拡大していきました。

せんチャンファームの自然薯畑

せんチャンファームの自然薯畑

自然薯アイスクリームが大ヒット

自然薯の栽培が軌道に乗ると、ヤチヨさんは自然薯を使用した加工品も手がけるようになりました。
その中でも特にヒットしたのが、自然薯アイスクリームです。

「せんチャンファームはアイスクリーム製造許可を持っていなかったため、世羅町にある「ジェラート工房ドナ」に製造を委託しました。
自然薯を煮たもの、粉末にしたもの、すりおろしたものの3種類を提案され、粉末がいちばんおいしかったため、粉末をアイスクリームに入れ込むことにしたんです」

自然薯とアイスとは意外な組み合わせですが、どのようにして思いついたのでしょうか。

「自然薯とバニラアイスを混ぜてみたら、変化がすごく、おいしかったんです。さらに、自然薯アイスクリームにとろろをかけてみたら大福味になります!」

ヤチヨさんは子供のような笑顔で楽しそうに話してくださいました。

自然薯アイスクリーム

自然薯アイスクリーム

自然薯アイスクリームは、せんチャンファームの贈答品ショップ、自動販売直売所で購入可能です。
自動販売機では、自然薯入りそうめん、自然薯入りうどんなども販売しています。
三原市に行かれた際は、寄られてみてはいかがでしょうか。

せんチャンファームの直売所(広島県三原市久井町山中野2142)

せんチャンファームの直売所(広島県三原市久井町山中野2142)

メディカルハーブ・エキナセアの栽培

2018年の西日本豪雨では、近くの山が崩れ、自然薯畑の一部が被災しました。
その畑は、エキナセアを植えることに。

エキナセアは、古来からネイティブアメリカンが愛飲してきたメディカルハーブです。
ヤチヨさんは薬アレルギーがあったことから、風邪をひいた時などにエキナセア茶を飲んでおり、その効果を実感していました。

エキナセアは自然薯と違って栽培の手間がかからないため、従業員の腰痛対策もあったそうです。

無農薬で栽培し、2021年よりエキナセア茶の販売をスタート。
その後酒類の販売許可、通販許可、卸許可の免許を取得し、エキナセアチンキの販売も始めました。

エキナセア茶

エキナセア茶

新しい試みと挑戦を、これからもずっと

豪雨被害以降、排水性を高めるために畝と畝の感覚を空けるようにしたこと、従業員の退職などより、自然薯の生産は全盛期と比べ半減してしまいました。

「おいしい、もっとくださいと言われる時はやっぱりうれしいです。どんどんつくってお応えできればいいのですが」
商品を買いたいという業者やお客様は多いのに、供給が追い付いていないのが現状なのだそうです。

商品不足を解消するため、今後は外国人労働者を雇用し、作付け面積を増やしていく予定です。

また、ヤチヨさんは新商品開発にも余念がありません。
現在はせんチャンファームで栽培したローズマリーと、因島産はっさくの果皮でリキュールを開発中とのことです。
ローズマリーとはっさくとは、思いもよらない組み合わせですが、この発想力もヤチヨさんの魅力。

ヤチヨさんはSNSを駆使し、広報活動も精力的に行っています。
時代とともに柔軟に進化していくせんチャンファームに、今後も目が離せません。

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土壌造りからこだわり、種芋の植え付けから収穫まで大切に育てました。山で採れるものより美味しい自然薯です。ミネラル豊富な天然地下水で育てており、一度食べたら分かる強い粘りと深い味わいが特徴です。

自然薯 800g

3,780円(税込)

個数

土壌造りからこだわり、種芋の植え付けから収穫まで大切に育てました。山で採れるものより美味しい自然薯です。ミネラル豊富な天然地下水で育てており、一度食べたら分かる強い粘りと深い味わいが特徴です。

セット 約3本
産地情報 三原
容量
(g / ml / 個数 / セット)
800g
賞味期限 / 消費期限 1ヶ月
配送方法 冷蔵

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