三原の食材を使って、心もからだも喜ぶお菓子づくりを

「せとなか百貨店」は、三原市の地域産業が生み出した数々のスグレモノが集まっています。その種類はバラエティに富んでおり、自分へのご褒美や手土産に最適なグルメの数々、事業者の職人が丹精込めて作る機能性を重視した寝具や衣類品、家具、美容品、生き物までさまざまな商品を展開しております。

 せとなか百貨店では、三原市ならではの商品の魅力や、作り手の想いを発信していきます。ぜひ瀬戸内の楽しさ、面白さ、美味しさに出会ってください。

 第2回目にご紹介するのは、ケーキハウス「シャンボール」。

「シャンボール」は、現オーナーの田尻香里さんが3代目を務めるケーキハウスです。
香里さんの祖父が1962年に和菓子店『清月堂』を創業し、香里さんの父が1972年に洋菓子店『シャンボール』としてお店を継承しました。

実は生クリームが苦手であり、お店の継承を悩んでいた香里さんですが、今では人に喜んでもらえるオーナーパティシエの仕事に誇りを持っています。
香里さんにお菓子づくりに注ぐ熱い想いと商品の魅力について語っていただきました。

三原の食材を使って、心もからだも喜ぶお菓子づくりを

素材にとことんこだわった、からだに優しいバターケーキ

『アデーシャン』は今ではあまり見かけなくなった、バタークリームのケーキです。
昔のバタークリームは「重くて甘ったるい」イメージがありますが、『アデーシャン』のバタークリームは「ふわっと軽いくちどけ」「あっさりとした味わい」が特徴。

バタークリームを知らない小さなお子さまからも「おいしい!」と喜ばれています。

シャンボールの看板商品『アデーシャン』は発売50年を迎えました

シャンボールの看板商品『アデーシャン』は発売50年を迎えました

あっさりとした軽やかな味わいの秘密は、厳選した素材とつくり方

クリームには北海道産の純バター、血糖値の上昇を抑え腸内環境を整える効果があるビートグラニュー糖(てんさい糖)、三原・久井町の新鮮卵を使用しています。
ショートニングを使っていないので、昔のバタークリームのようなクドさはありません。

動植物の機能を高めるといわれているFFCテクノロジーを駆使した三原・久井町産の卵

動植物の機能を高めるといわれているFFCテクノロジーを駆使した三原・久井町産の卵

空気を含むように混ぜ合わせてつくっていきます

空気を含むように混ぜ合わせてつくっていきます

『アデーシャン』は発売当時から変わらないビジュアル

ケーキの型も50年間同じものを使い、昔と同じ味を守りつつ、時代に合わせた工夫をしています。
例えば、夏場は甘さを控えて少しだけ軽やかにするなど、食べた方が気づくか気づかないかくらいの、ほんの少しの調整をしています。

『アデーシャン』には三原・鷺島産の無農薬レモンを皮ごと使用した「レモン塩」を添えています。これは「アデーシャンにあら塩をかけて食べるとおいしい」というお客様の声からヒントを得て、香里さんが考案しました。

鷺島のレモンの配合を何度も試し、『アデーシャン』に合うベストな味を決めました。最初は何もつけずに食べ、その後レモン塩をつけてと、味の変化をお楽しみください。

レモン塩をつけると、甘くて少ししょっぱい、そして爽やかなレモンの香りも同時に口の中に広がり、この絶妙な味わいがクセになります。

お子さまからご年配の方まで、幅広い年代の皆さまに愛されています

お子さまからご年配の方まで、幅広い年代の皆さまに愛されています

ケーキハウス「シャンボール」と香里さんの歩み

家業に悩んだ子ども時代

生まれたときから実家がケーキ屋という環境で育ったという香里さん。家がケーキ屋だなんて、子どもにとっては夢のような環境だったのではないでしょうか。

香里さんに伺うと、「子どものころは家がケーキ屋で友だちからうらやましがられましたが、私は全然うれしくありませんでした。
実は生クリームが好きではなく、お店のお菓子を食べることもなかったのです。」

香里さんは長女ということもあり、周りにはお店を継ぐことを期待されていましたが、気乗りしていなかったと話します。

祖父の危篤、阪神大震災による帰郷

「高校卒業後は、お菓子とは別の道に進みたいと思い、大阪の短期大学の英語学科に進学しました。ところが、短大に進学した年の秋に祖父が病に倒れてしまい、実家に帰省した際、祖母にお店を手伝ってほしいと頼まれました。」

将来の仕事を決めかねていた香里さんは短大を退学し、翌年の4月に製菓の専門学校へ入学します。

「実家にいた頃はあんなに苦手だったお菓子の香りが、大阪では懐かしく感じ、実家に戻ったようなあたたかい気持ちになったのです。結局、導かれるようにお菓子の世界に戻っていきました」


そんな香里さんは、専門学校卒業後、神戸の洋菓子店に就職。
しかし就職した翌年の1月に阪神大震災が発生し、洋菓子店を解雇され、三原に帰郷します。

3代目としてお店を継ぐ決意

実家のお店を手伝うことになったものの、最初は「実家の手伝いをしてあげている」という感覚だったと話す香里さん。
「その時は、自分がケーキ屋を継ぐという気持ちはそれほどなく、他の仕事の可能性も探していました。

しかし、『他にやりたいことがないなら今の仕事に専念して、徹底的にやってみよう』とある時から考えを改めるようになりました。すると、ケーキ屋の仕事の素晴らしさに気づくようになったんです。

ケーキを買いにくる人は、みんなニコニコ笑顔なんですよね。お金をいただいているのに、お客様から『ありがとう』と感謝してもらえ、喜んでいただける、こんな幸せな仕事は他にはないと思いました。」

香里さんは、自分の将来をケーキ屋一本にしようと決意します。

野菜を使ったスイーツで農業支援

香里さんはお店の看板商品『アデーシャン』のほかに、何か"自分らしい”看板商品をつくりたいと感じるようになりました。
「ちょうどその頃日本の農業危機の記事を読み、農業を担う若者が減ってきていることや、きれいに形のそろった野菜でないと出荷できずに廃棄されることを知りました。

そこで、規格外の野菜を使用したスイーツづくりを開始。
「野菜が苦手な子どもたちが、美味しくいただいてます」と、喜びの声を頂くそうです。

子どもが食べても安心なお菓子をつくりたい

「市販のお菓子は簡単、お手頃な代わりに添加物がたくさん入っています。
子どもができてから、『この食べ物は本当に子どもに食べさせたいものか?』と疑問を感じるようになり、子どもが食べても安心なお菓子をつくりたいと思うようになりました。

息子が幼稚園の時、卵アレルギーの同級生の男の子に、神石高原町の無農薬の小麦を使用した誕生日ケーキをつくってあげました。
ケーキをとても喜んでもらえ、その男の子はパティシエになるという夢ができました。」

と、微笑んで当時のことを懐古してくれました。

新鮮野菜が入った焼ドーナツ「愛菜菓」

新鮮野菜が入った焼ドーナツ「愛菜菓」

食材の大切さを実感し材料を厳選

一時期「ケーキはからだに悪い」という風潮があり時期があり、それをくつがえしたい思いもあったという香里さん。材料は可能な限り、地元の食材や国産のものを使用するようにしたと語ります。

「父の代から材料には余計なものは入っていませんでしたが、保存料や着色料は使用せず、アルミニウムフリーのベーキングパウダーに変えるなど、さらにシンプルにしていきました。」
今では、常連のお客様から「この果物を使って商品をつくってみて」と提案されることもあるのだとか。

自然な食材のみできれいな発色が出るように、試行錯誤を繰り返して商品を開発しているのだそうです。

お店のショーケースには色とりどりの商品が並びます

お店のショーケースには色とりどりの商品が並びます

『アデーシャン』存続の危機を乗り越え

最後に、お仕事のやりがいについて香里さんに伺うと、
「お客様が喜んでくださると、昔の商品を変わらないようにつくり続けてよかったと思えます。あるお客様が『アデーシャン』を祖母に買っていったところ、祖母の昔の記憶がよみがえり、いろいろなお話をしてくれて、大変楽しい時間を過ごせたと喜んで報告してくれました。

大切につくっているからこそ、本当に食べたいと言ってくれる人に届いてほしいですね。『こんないいものを見つけたよ』と贈ってもらえるような商品であったらうれしいです」
と笑顔で答えてくださいました。

実は、バターが品薄になった時期は『アデーシャン』の製造を中止しようと考えたこともあったのだとか。
しかし香里さんは「やはりシャンボールの看板商品は守っていきたい」と強く思い、クッキーなどの焼菓子をつくるのをやめ、その分のバターを『アデーシャン』の製造にまわしたのだそうです。

西日本豪雨をきっかけに、東広島から三原にお店を戻したというケーキハウス「シャンボール」。地元のお客様は香里さんの祖父の代から知っている人も多く、「帰ってきてくれてありがとう」と歓迎され、今も地元のお客様に愛され続けています。

「父は他界しており、母は移転を機に引退してからは、ひとりでお店をやっていこうと決めました。最初は要領をつかめず、朝6時に家を出て夜11時に帰宅、といった生活をしていましたが、何とか4年経ちました。

母には『お店を継いでくれてありがとう』と感謝され、感慨もひとしおでした。」
今後は三原の食材を使った糖質制限中の方でも食べられるスイーツや、オートミールを使ったプロテインバーなども開発していきたいと考えていると語ります。

“食べる”ということを大切にしている方、「シャンボール」のアーデシャンを食べると、日常の小さな幸せをほっこりと感じられます。
ぜひ、大切な方と召し上がってみてはいかがでしょうか。

ひとつひとつ、心を込めてつくります

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ケーキハウス「シャンボール」オーナーの田尻香里さん

ケーキハウス「シャンボール」オーナーの田尻香里さん

Product作りてのおすすめ!

今ではあまり見かけなくなった、懐かしのバターケーキ。昔のバタークリームは「重たい&甘ったるい」イメージがありましたが、『アデーシャン』のバタークリームは「ふわっと軽いくちどけ&あっさりとした味わい」が魅力です。バタークリームを知らない、小さなお子さまからも「おいしい!」と喜ばれています。「瀬戸内レモン塩」を少量かけて味の変化をお楽しみください。

アデーシャン(小)

3,000円(税込)

個数

今ではあまり見かけなくなった、懐かしのバターケーキ。昔のバタークリームは「重たい&甘ったるい」イメージがありましたが、『アデーシャン』のバタークリームは「ふわっと軽いくちどけ&あっさりとした味わい」が魅力です。バタークリームを知らない、小さなお子さまからも「おいしい!」と喜ばれています。「瀬戸内レモン塩」を少量かけて味の変化をお楽しみください。

セット 1個
規格
(寸法・重量)
直径15cm
特定原材料等
(28品目)
卵、小麦粉、アーモンド、乳化剤
栄養成分表示 卵(広島県産)、ビートグラニュー糖・小麦粉・バター(北海道産)、アーモンド(アメリカ産)
賞味期限 / 消費期限 発送日から1カ月
配送方法 冷凍

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